真夜中の図書室

通訳案内士試験(仏語)合格までの記録と多言語読書の日々

仏語通訳案内士受験記録DAY17

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●「食堂かたつむり」仏語ver.

 

全体的な印象をざっくり言うと、とてもあざとい物語だったというとことろに落ち着くのかもしれません。あまりに出来すぎです。料理や食材に関する描写が主役になることが多く、人間を描き切れてない、というか若干消化不良を起こしているなというところでしょうか。また仏語に訳されているんですが、日本独特のものについてそのまま言葉をあてがっており脚注が全くありません。これ、フランスの読者が読んですーっと頭に入ってくるんだろうか?と疑問が残ったのも事実です。

 

小川糸さんの物語に接するのは現在ドラマで放送している『ツバキ文具店』が初めて。ところが、この『食堂カタツムリ』を読んでいるとなんかデジャビュを感じてしまいました。『ツバキ文具店』は手紙と文字を書く道具が主役ですが、これによっていろんな人がまさに奇跡的に様々なトラブルや悩みから解放されていくという筋です。一方の『食堂カタツムリ』の場合は料理、食材がその役を担っています。構図は全く同じ。出てくる人たちもなぜかliberationを得るという結末です。最終的には主人公自身が救われるって形に落ち着くのですが、たぶん『ツバキ文具店』も同じかな?と推測しております。

 

もし日本語オリジナルで読んでいたら途中で投げ出していたでしょう。フランス語で読んでいたので「まぁ勉強だから…」と最後まで読み切れました。そんな物語です。おすすめはあまり出来ないかなぁ。